理事長・病院長のご挨拶
理事長のご挨拶
皆さま、 いつも、当院の運営にご理解・ご協力をいただき感謝申し上げます。
この度、前任の西田貞之理事長の後を継ぎ、埼玉慈恵会理事長に就任いたしました西田由華と申します。どうぞ宜しくお願いいたします。当院は、前身の西田医院の開設から数えますと、今年で120年を迎え、私は5代目として病院を受け継ぎます。その歴史と重責を、今、ひしひしと感じています。
さて、就任に際しまして、皆さまに「不易流行(ふえきりゅうこう)」というお話をさせていただこうと思います。この言葉は、俳人・松尾芭蕉が示した俳諧の理念で、「どんなに時代が変わろうとも変化してはならないこと」を指す「不易(ふえき)」と、「時代に応じて変化すること」を示す「流行」という、相反する概念が一つになった言葉です。私は、これを「変わってはならない本質的なものをしっかりと土台に据えた上で、時代に即して変化・進歩していくことが、理想的な病院の姿である」と理解しています。
理事長西田 由華
当院にとっての「不易」つまり、組織の「原則」となるのは、「基本理念を維持して進歩を促すこと」と「職員の成長と幸せに貢献すること」です。患者様に貢献し、職員に貢献し、地域社会に貢献すること、そのために組織基盤の充実を図ることを掲げた「基本理念」は組織内に浸透しており、私たちの「原則」となっています。そして、前理事長が創設した「幸せ研修」は、人格を育むための「学び舎」となっており、ここで学ぶことが組織の習慣となりました。自立した主体的な職員が増え、院内の雰囲気は明るくなりました。問題が起きても、それを課題と捉え、成長の糧として捉える姿勢が組織内の随所に見られるようになりました。組織をつくるのは「人」で、そこにどんな「人」がいるかで組織の雰囲気は変わります。この土台の上に埼玉慈恵病院の組織文化は醸成されています。
続いて、当院にとっての「流行」、これは、時代の流れに即して、患者様のニーズにお応えできるよう、「質の高い医療の提供」に努めることです。近年、常勤医師が増え、診療の幅が広がりました。久保病院長の統括の下、「患者さまをお断りしないこと」をモットーに、各科とも精力的に診療に取り組んでいます。
内科においては、糖尿病の教育機関としての認定を受けており、3名の専門医による手厚い診療を行っております。外科においては、腹腔鏡のスペシャリストである渡部医師を中心に、患者様のお体に低侵襲な手術を行っております。整形外科においては、令和3年度より、東京慈恵会医科大学の連携施設となり、常勤医師6名体制で、脊椎・膝・外傷の専門的治療を行っております。手外科研究所においては、福本所長を中心に、先天性異常、加齢による疾患から切断指などの外傷に至るまで、積極的に診療に取り組んでおります。また、新たな治療法の研究や手外科専門医を目指す医師の教育、海外からの留学生の受け入れも行っております。手術室は、麻酔科医が4名となり、緊急手術にも対応できる体制が整いました。これに手術室の増設、内視鏡センターの整備、診察室の充実などの環境整備も相まって、診療実績は右肩上がりに推移しています。令和6年春には、MRIを3.0テスラに更新、X線CTも更新予定となっており、更なる医療レベルの向上が期待できます。
埼玉慈恵病院は、今後とも、変わってはならない「不易」の土台の上に、変化・進歩するべき「流行」に努めるという、前理事長が育ててくださった組織文化を受け継ぎ、地域の皆さまに必要とされる病院で在り続けられるよう邁進してまいります。
どうぞ引き続きのご支援・ご協力を賜りたくお願い申し上げます。
令和5年6月
理事長 西田 由華
病院長のご挨拶
当院は、明治36年に西田医院として開業以来、西田病院、埼玉慈恵病院と変遷を経ながら、100年の時を超えて地域に根ざした病院として、患者さま・ご家族さま・地域の皆さまへの「ぬくもりのある医療」の提供に努めてまいりました。
現在は、急性期病棟110床、地域包括ケア病棟50床の計160床で運営しており、「患者さまの受け入れをお断りしない」ことをモットーに、二次救急医療に力を注いでいます。
病院長久保 寿朗
- 当院の基本理念は、
- .患者さまに貢献する
- .職員に貢献する
- .地域社会に貢献する
- .組織基盤の充実を図る
であり、この理念を忠実に実行することを自らの存在価値とし、時代に即応した医療の提供と患者さまに全人的に接する‘ぬくもりのある医療’の提供に日々取り組んでいます。
- 私たちは、医療の本質である医療レベルの向上に努め、救急患者さまを積極的に受け入れていきます。外来患者数・入院患者数は、共に10年連続で前年度を上回っており、救急受け入れ件数も2000件を超え、年々増加しています。地域の救急隊とも、互いに研鑽を積み、スムーズな連携体制を構築することを目的とした症例検討会を定期的に開催しています。
- 病院機能の中枢である診療部門では、内科・外科・整形外科・泌尿器科に加え、近年、脳神経外科・手外科(形成外科)も診療を開始しています。また、2021年には、新たに4号館が竣工予定となっています。4号館には、手外科専用フロア・内視鏡専用フロア・手術室(2室)・生理検査室・MRI室などが増設される予定です。各診療科の充実を図りながら、更なる医療レベルの向上を目指します。そして、誠実さと良心を基に患者さまとの信頼関係を築き、解り易い医療の提供に取り組んでいきます。
- また、当院では、職員一人ひとりの「成長と幸せ」を目指し、平成24年度より、週に1度の「幸せ研修」を継続して行っています。その成果は顕著で、ポジティブな職員が増え、院内に笑顔・活気が溢れていることを嬉しく感じています。
- 病院に求められる使命・役割は、いつの時代も不変であり、大切なことは「質の高い医療とホスピタリティを提供し、患者さまに〔満足〕と〔安心・ぬくもり〕を感じていただける病院」をつくっていくことです。全力で日々の医療活動に取り組む所存ですので、皆さまの更なるご支援・ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。